土地の評価額とは?5種類の特徴と調べ方を解説

土地を売りたいけれど、何から始めれば良いかわからずに悩んでしまい、手を付けられずにいませんか。
不動産は所有しているだけで課税される固定資産税や、売却するときの査定額を設定する際に、評価額を用いて算出するのが一般的です。
こちらの記事では、土地の評価額とは何かをお伝えしたうえで、5つの特徴と調べ方について解説します。
土地の評価額とは

評価額とは、土地や建物などの不動産に対して、どれほどの価値があるかを可視化した数値です。
不動産は、見た目だけでは価値を把握しにくいため、築年数・立地・広さなどのいくつかの項目を考慮したうえで決まります。
ここでは、評価額がどのような場面で用いられているのかと、課税標準額との違いについて解説します。
納税額の基準
不動産を所有していると、固定資産税・都市計画税・登録免許税・不動産取得税が課税されます。
これらは、不動産を利用しているかどうかにかかわらず、所有している時点で支払い義務が発生する税金です。
固定資産税は、地域の道路・学校・共有施設の整備や介護・福祉などの行政サービスを賄うための費用に充てられます。
つまり、国ではなく、地域の自治体に収める地方税に該当するのです。
売却相場の基準
納税額の基準値として用いられる固定資産税評価額は、実勢価格のおよそ70〜80%程度とされています。
そのため、売買取引の価格のほうが評価額を上回るのが一般的です。
実際に売買取引が成立したときの数値を「実勢価格」と呼びますが、実勢価格を知りたいときに使えるのが評価額になります。
あくまで、おおよその目安を把握できるだけなので、最終的には複数の仲介業者に査定を出して販売価格を設定してください。
課税標準額との違い
固定資産税の納税通知書を見たときに「課税標準額」という項目をみつけて、内容がわからずに困惑する方は多いです。
基本的に、評価額と同じ金額が記載されているため、同じと考えてしまいがちですが、正確には固定資産税を算出するための基準になる数値にあたります。
建物の価値を見積もるときは評価額と同じ数値になりますが、土地の価値を見積もる場合は小規模住宅用地・一般住宅用地・一般農地などの区分によって特例が適用されることで数値が変動するのです。
このように、特例が適用されるケースでは金額が変わるため、必ずしも同じになるとは限りません。
土地の5つの評価額の特徴

所有している土地の価値を把握するときに注目すべきポイントは5つあります。
それぞれで基準になる部分が異なるので、どのような用途で必要になる数値なのかを正しく使い分けられるようにしましょう。
ここでは、土地を評価する5つのポイントと目的について解説します。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、不動産が所在する地域の自治体に支払う固定資産税をはじめ、各種税金を算出するために用いる数値です。
各地域の不動産鑑定士が土地の条件を考慮したうえで評価し、3年に1度のペースで見直しがおこなわれます。
物件の場合は、経年劣化とともに評価額も下がりやすいですが、更地のみの場合は経年劣化の影響が少なく、変化が起こりにくいです。
公示地価
公示地価は、売買取引金額の指標や公共事業の不動産取得価格の目安を把握するときに用いられる数値です。
毎年1月1日時点で、標準値1㎡あたりの地価を国土交通省が公表しています。
売買価格の目安をつかむうえでは便利ですが、実際の価格は2名の不動産鑑定士による現地調査を踏まえて決定されます。
そのため、公示地価を使った計算だけで売却額が決まるわけではありません。
基準地価
基準地価は、公示地価と同様に、売買取引金額の指標や公共事業の不動産取得価格の目安を把握するときに使われる数値です。
都市計画区域外の不動産を評価できる点で公示地価と異なります。
全国2万か所を超える基準値の1㎡あたりの地価を、各都道府県が公表しているのが特徴です。
公表のタイミングは、都道府県ごとに異なるため、公示地価と基準地価を比較しながら地価変動を把握できます。
路線価
路線価とは、相続税や贈与税などの税金を算出するときに用いられる数値です。
国土交通省が公表する相続税路線価と、都道府県が公表する固定資産税路線価の2種類が存在しますが、一般的には前者を指す場合が多いです。
実勢価格
実勢価格とは、売買取引で実際に成立した金額を指す数値です。
国土交通省や各都道府県が公表する数値とは異なる可能性があるため、取引件数の少ない地域では不透明になる場合もあります。
そのような地域では、周辺エリアの実勢価格を参考にしてください。
土地の評価額の調べ方

評価額は、納税額の計算や売買取引の目安を把握するときに活用できます。
基本的には、公的機関から所有者あてに送付される書類で評価額を確認することが可能です。
ここでは、評価額の調べ方について解説します。
納税通知書の確認
まずは、所有者あてに送付される固定資産税の納税通知書を確認しましょう。
同封されている課税明細書や固定資産課税明細書に記載された土地の価格が評価額になります。
1年に1回送付される書類ですが、紛失してしまった場合は本人確認書類を持参して役所の窓口に相談すると、固定資産評価証明書を発行できます。
ただし、役所の受付時間が限られていたり、証明書の発行手数料がかかったりするため注意が必要です。
固定資産課税台帳の閲覧を認めている自治体であれば、証明書発行を省略できる場合もあります。
その際は、事前に役所に問い合わせて、どのような手続きで価格を調べられるのかを確認しておきましょう。
もし、納税通知書をどこかにしまい込んで見つからない場合でも、紛失対応の手順を把握しておけば安心です。
ただし、再発行を依頼する際に必要な書類が自治体によって異なるため、電話や窓口で事前に説明を受けておくと、手続きをスムーズに進められます。
計算方法
固定資産税の納税額は、課税標準額に1.4%を乗じて計算します。
課税標準額を割り出すために必要になるのが評価額です。
住宅用地の場合、固定資産税評価額と特例率を掛け合わせた数値が課税標準額になります。
一方、建物に対しては、固定資産税評価額をそのまま課税標準額として用いているケースが多いです。
ただし、住宅用地以外の土地には特例率が反映されないため、計算が異なることを理解しておきましょう。
住宅用地では特例が適用されるので、建物や住宅用地以外の土地よりも価格が下がりやすいという仕組みです。
土地と建物は別に調べる
同じ不動産であっても、経年劣化の影響を受ける建物と、経年劣化がほとんどない土地は区別して考える必要があります。
とくに、納税額を決定するときは、両者を別々に計算して合算するのが一般的です。
借地に建物を建てた場合、納税義務は借主ではなく貸主に生じるため、貸主側は建物分を除いた土地だけの価値を調べて納税額を把握しなければなりません。
借地に建てられた建物については、所有者あてに納税通知書が送られてくることになります。
地目や用途地域が与える影響
土地の評価額を調べる際は、地目や用途地域がどのように影響するかを知っておくと便利です。
たとえば、農地や山林などは利用できる範囲が異なるため、算出される評価額に大きな差が出ることがあります。
都市計画法や市街化調整区域などの用途地域によっても評価額は変動するため、売却や納税額の試算をする際に必ず確認しましょう。
まとめ
土地の評価額とは、税金の納税額や売買取引の相場を把握するときに用いられる数値です。
毎年送付される納税通知書を確かめれば評価額を把握できますが、紛失した場合は土地が所在する役所に問い合わせて証明書を発行してもらうか、台帳閲覧の制度が使えるか確認してください。
こうした評価額にくわえて、地目や用途地域などの条件も見落とさないことが大切です。
土地の売却や相続など、さまざまな場面で役立つ知識ですので、ぜひ参考にしてみてください。